<前回までのあらすじ>
50~70年代のまとめはこちら。
曲を厳選していたら、大好きな尾崎紀世彦を紹介し忘れてちょっと後悔しています。
今回からは情報量が非常に多い為刻んで紹介。
日本音楽界の隆盛期といってもいい80年代をまとめます。
1980年代：バンドブームによる新しい歌い方
インターネットが登場し、テクノロジーという概念が表出化したこの年代。
音楽シーンではヘヴィメタルが最盛期を迎える。
また、電子音楽シーンとしてテクノというジャンルが確立され、クラフトワークなどのグループが中心に活躍を見せる。
日本としてはバブルを迎えていた年代でもあり、アンダーグラウンドな領域が活発化。
世界的流行を汲み取った、先鋭的な鬼才達が多数現れることになる。
(この年代から爆発的に情報量が増えるので、男性、女性シンガーに分けて紹介します)
男性シンガーの紹介
1980年代の男性シンガーの所感：
- ジャンルの拡大と共に新しい歌唱スタイルも大きく拡がり出す
- 海外ルーツの音楽から波及したディストーションボイスやソリッドな歌い方が持ち味の個性的なシンガーが多く現れる
- ヘヴィメタルブームに因って、地声の様に聞こえるヘッドボイスを使いこなすシンガーが表出化する
- アイドルグループについては、どちらかというと歌よりもダンスにフォーカスが当たる
- 正直、盛り上がりすぎな時代の為、全部拾って分析するのは難しい(笑)
(バンドブームの発端となったBOOWY。SEX PISTOLSにも大いに影響を受けているバンドで、精神性はパンクに近い。荒々しくもスマートな氷室京介の歌い方が、ひたすらに格好いい)
(結成自体は70年代の安全地帯。そして若い時から絶対的な歌唱力を持つ天才、玉置浩二。とにかく声が深く、表現力が素晴らしい。歌の説得力が段違いのレベルである)
(チェッカーズは80年代の男性アイドル的バンドの代表格の1つ。藤井フミヤの声は嫌われにくい天性の声ではないか。この年代は一世風靡セピアや少年隊もそうだが、ちょっと男臭い感じが受けていたのかもしれない)
(THE BLUE HEARTSのご存知代表曲。甲本ヒロトの声は特別歪んでいる訳ではないが、エネルギッシュでポジティブな荒々しさを持つ)
(日本のヘヴィメタルシーンの代表的存在であるLOUDNESS。とてつもない鋭さを持つ天才的なハイトーン。若い頃の二井原実は甘いフェイスで、アイドルという前歴を持っていたことも頷ける)
(現代に於いても活発な活動を見せるエレファントカシマシ。強烈な個性を持つ宮本浩次の歌唱スタイルはこの時から確立されている。強いて言えば忌野清志郎リスペクトな歌い方がこの時は前面に出ているか)
女性シンガーの紹介
1980年代の女性シンガーの所感：
- バンドブームに伴ってミッドハイやハイを力強くソリッドに発声するシンガーが多く現れる
- また、アンニュイで細々とした歌声も大衆的認知を得始める
- アイドル中心の時代には変わりないが、その中でも多種多様のスタイルが生まれる(歌唱力がピンキリの為、結果的にそうなる)
- 男性シンガーと同様、情報量がやばい(やばい)
(ジューシィ・フルーツの電子音楽要素もある面白い楽曲。イリアのフレンチポップの様な、か細い歌い方が特徴的。当時からするとバンドとしては斬新なスタイルであったのではないか)
(80年代の代表的バンドの1つであるレベッカ。NOKKOの馬力があるかつ艶のある歌声は大衆を魅了した。個人的にこの人の歌い方は凄くツボです)
(当時は女性ボーカルの加入時、色物として見方もあった様だが、確固たる実力を持つBARBEE BOYS。厳密にはツインボーカルなのだが、杏子のセクシーな歌声が印象的の為、ここで紹介する)
(多人数アイドルグループの先駆けであるおニャン子クラブ。質を量でカバーするようなパフォーマンスに時折ぞっとするのだが、この素人臭さが逆にありなのかもしれない)
(80年代アイドルのアイコンである松田聖子。キャラクター的には色々と賛否を呼んだそうだが、歌唱力は間違いなく確かであった。ロングトーンが伸びやかで綺麗)
(松田聖子とは対極的な魅力を放つ中森明菜。山口百恵と似た系譜である一方で彼女の声は決してフィジカル的に恵まれてはいないが、陰のあるキャラクターに上手くフィットしたスタイルとも言える)
(いいとも等にも一時期出演していた戸川純の所属バンド、ヤプーズ。この人は割と色んな声の出し方が出来る人ですね。引き出しが多い。世界観的にはX JAPAN等よりも、このバンドやauto-mod辺りの方が、ヴィジュアル系の先駆け感を感じる)
