ただただ暑い。
今月は昔のダウンテンポとかニューエイジとか色々聴いてたので、新譜はあまり深掘ってないですが、やっていきます。
選定ルール
- 2021年6月中に初見で出会った作品
- リリース日で縛りは設けないけど、出来るだけ直近の作品をチョイスする
- ジャンルも縛りはせず、直感で良いと思ったやつをチョイス
- ランキング形式とかにはしない。ややこしくなるので
- アルバム/シングルは特に考慮しない
1.Millenium Parade「U」
「竜とそばかすの姫」メインテーマである「U」。
民族音楽のテイストも感じさせる壮大なこの曲を歌い上げるのは中村佳穂。
楽曲の雰囲気と完全にシンクロしていて完璧なキャスティング。
メロも常にグルーヴを感じさせる様な譜割も、めちゃくちゃかっこいい。
2.Billie Eilish「Happier Than Ever」
ビリーアイリッシュの2年ぶり新譜。
以前とはキャラクターの打ち出し方も大きく変わった印象のある彼女ですが、
楽曲の引き出しが前作よりも広がっているかつ、ポップな方面での間口がよりオープンになっている作品。
インディーエレクトロの領域では今年も間違いなくベストアルバムの一角に位置付けられるんじゃないでしょうか。
3.The Lazy Eyes「EP2」
オーストラリア産サイケロックバンドの2枚目のEP。
前作よりもサウンドクリエーションが向上している気がする。
楽曲もポップかつグルーヴィーなトラックが立ち並ぶ。
ローファイポップなサウンドとどことなく哀愁のある歌声は既に完成されているけれども、同時にティーンエイジ感も強く感じさせるバランスが絶妙であり儚くもある。
4.Aaron Dilloway , Lucrecia Dalt「Lucy&Aaron」
アメリカの実験音楽家2人による共作は、これまたとてつもない前衛性を備えた作品になっている。
グリッチやノイズミュージックを背景に、時々飛び交う歌声が何とも不気味。
空間の感じさせない宇宙的な雰囲気も漂わせる楽曲達は、聴いた瞬間に未知の暗闇に突然放り込まれる様な暴虐性も帯びている。
5.King Woman「Celestial Blues」
アメリカのシンガーソングライター、クリスティアーナ・エスファンディアリのプロジェクトであるドゥームメタルバンドの新譜。
ひたすら陰鬱で重たい楽曲、そこに拍車をかける様なクリスティアーナのダウナーな歌声は底知れない闇を感じさせる。
メランコリックな表現ってこれ見よがしな狂気的なアプローチよりも、ひたすらダウナーなパフォーマンスに徹した方が説得力を帯びたりしますが、これはその典型なんじゃないかと思います。
6.Dos Monos「Dos Siki 2nd Season」
プログレやフリージャズといった変則的な楽曲を持ち味とするヒップホップユニットDos Monosの新作EP。
featuringに崎山蒼志やBlack Midiなど意外性の高い組み合わせ。確かに音楽性はしっかりハマるわな。
崎山蒼志がラップ的なアプローチを見せているのもボーカリゼーション的に非常に新鮮で聴き応え抜群。
7.エレファントジム「CRACK OF DAWN」
台湾のマスロックバンドの新作EP。
非常に日本のマスロックバンドの雰囲気に近しい作風。
一方でボーカルが非常に歌謡的で、メロが入った途端に急にめちゃくちゃキャッチーになるのがこのバンドの持ち味。
Japanese ver.という名目で思いきり日本語詞で歌っているトラックがあるんですが、日本市場を意識したものなんですかね。
そもそも台湾でマスロックってどの位普及してるジャンルなんだろう。
8.Bloodslide「Pica」
米国の電子音楽家のシングル。
最近楽曲をリリースし始めた感じですが、どの楽曲も非常に良質。
その中でもこの「Pica」がインダストリアル感もありつつ退廃的なインディーロック的サウンドが前面に出ており非常にかっこいい。
かなりマニアックな雰囲気のアーティストですが、サウンド自体は一般受けもしそう。
アートワークもセンスが良く、注目の要素。
9.Alice Longyu Gao「Underrated Popstar」
中国のDJ、ソングライターの新作シングル。
ゴリゴリのインダストリアルなサウンドがかっこいい。
ウーファー全開で聴きたい。
ラップもかなりオーセンティックなハイレベルなクオリティを誇りますが、どことなくアジアンなポップさも漂わせて来るので、結構新鮮な感覚で聴ける。
楽曲によってははちゃめちゃにポップなトラックもあるAlice Longyu Gaoですが、日本文化にも大きく影響を受けているっぽいので、その辺りの影響もあるだろうか。
10.平沢進「Beacon」
核P-MODELでのリリースも含めれば、約3年ぶりとなる師匠の新作です。
まあ毎度安定した平沢節全開なので、今更何かを言うのもおこがましい。
ただ一つ言えるのは、平沢進は平沢進なりのキャッチーさを持っているというか、誰しもが噛めば必ず味の出るスルメ的な要素を持っている気がします。
そういう意味で、強ち典型的なライトリスナー除けさせるタイプのマニアックなアーティストではないと個人的には感じております。
注目は初のカバートラックであるCOLD SONG。かのクラウス・ノミもカバーしていた曲ですね。